一橋大学の配点から考える入試の特徴

 一橋大学は国立大学なため、センター試験と二次試験の2本立てで構成される。今回はセンター試験、二次試験に関する学部毎の科目の配点から本大学の入試の特徴をお伝えします。

 まずは、下記グラフをご覧下さい。

 棒グラフは、一橋大学の前期日程の一般入試における、二次試験の各科目(英語、数学、国語、社会)とセンター試験の配点です。センター試験は900点満点の試験だが、それを学部毎に上記の点数に圧縮しています。(センター試験の科目毎の圧縮方法については、上記参考サイトを参照)

 上記内容から、一橋大学の学部の検討や受験対策する上では、下記が重要だと思われます。


【1】 一橋大学は英語が重要科目である(全学部共通)

 全ての学部において、二次試験のうち最も配点が高いのは英語である、特に法学部と社会学部については、センター試験含めた合計点のうち30%近くを占めており、他の科目よりも得点が高いです。

 一橋英語の具体的な内容や対策は別記事に記載するが、英語が苦手な状態で一橋大学を目指すのは難しいでしょう。


【2】 一橋大学は数学の比重が大きい(商学部・経済学部・法学部)

 商学部、経済学部において英語に次いで配点が高いのは、数学です。文系なのに、国語よりも配点が高いのは、一橋大学の大きな特徴です。(法学部に関しても、数学の方が国語よりも配点が高い)東京大学は二次試験の国語と英語が120点に対し、数学が80点という点からも、“一橋らしい”というのがお分かり頂けるのではないでしょうか。

 筆者は経済学部出身だが、入学後も数学が必修科目であり、大学1年生で行列や微積(高校数学でいう数Ⅲ等)の問題を早速取り組むことになります。経済学の授業でも数学を使った講義がたくさんあり、数学を苦手とした学生は入学後も苦労するでしょう。


【3】 社会学部については、社会科目が重要

 商学部と経済学部に対し、英語以外の科目の配点が大きく異なるのは社会学部である。社会学部は社会、国語の配点が高めであり、しっかり準備をする必要です。

 社会学部の中では、“数学が苦手だから”という合格者も多いが、その分英語、国語、社会のいずれかが飛び抜けて得意なケースが大半です。

 またグラフには記載していないが、社会学部はセンター試験の配点180点のうち、理科が100点(圧縮無し)を占めています。この圧縮無しは社会学部のみで、センター理科の比重が大きい点は知っていて損がないでしょう。


【4】 一橋大学合格に必要な点数は550点〜600点以上(全学部共通)

 一橋大学は、学部毎に合格者における合格最低点を開示しています。学年や学部毎によって異なるが、センター試験含めた1,000点のうち550点〜600点が合格最低ラインです。当然この中には圧縮されたセンター試験の点数も入っているので、二次試験については50〜55%程度の点数が獲得できれば合格可能と言えます。まずは“二次試験で6割程度”を目指して見るのはいかがでしょうか。

 余談だが、一橋大学に合格すると、事務局にお金を払えば自分が何点だったかを確認することができます。


記載内容はグラフから考察できる特徴であり、実際の合格者には上記内容に関係なく合格したヒトもいるでしょう。ただ、東大や京大と比べると学部毎に科目の配点比率の特徴が大きく、対策を立てやすいかと思われます。

例えば、商学部を志望しているのであれば、高2までの段階で英語もしくは数学は一定以上の水準まで力を付けておいて、高3ではその科目の過去問演習と残りの科目の勉強を進める・・・等です。商学部と経済学部では実際そういう勉強により合格した受験生も多いです。

 各科目の特徴は別記事で紹介するが、まずは全体感を捉えた上で、合格に向けた勉強スケジュールや戦略を立てて頂きたいです。

一橋会 Junky

一橋会

「一橋会」は、一橋大学を目指す受験生や一橋大学生に受験勉強や将来のキャリアの神髄を伝授するために結成された、一橋生による集団です